在留資格:特定活動~告示特定活動と告示外特定活動~

在留資格【特定活動】

今回は数あるビザの中の例外的存在、【特定活動】について説明していきます。

そもそも様々な在留資格は法律によって内容が定められています。それらに当てはまらずに日本に入国や在留を認める際にこの特定活動ビザが発給されます。

大きく分けると【告示特定活動】と【告示外特定活動】の2つに分かれます。昔はさらに法律によって定められた特定活動というものがありました。

ではこの特定活動ビザの特徴についてお話していきます。


特徴

一番大きな特徴は、非常に柔軟な性質を持つビザであるため、内容の増減が多く種類が豊富な点です。法務大臣が個別に判断を行うため、新たに増設されるケースもよくあります。近年ですと新型コロナウイルス関連で認められたり(例:新型コロナウイルスにより帰国できない方の為の特定活動、新型コロナウイルスの影響により就労継続が不能となった実習生のための特定活動など)、ウクライナからのに避難民にも認められました。また、今まで特定活動の一部だった内容が新しく在留資格として創設されることもあります。

特定活動から新設されたビザで代表的なのは在留資格【高度専門職】です。このビザは元々特定活動ビザの一部(平成18年法律第43号入管法の改正)でありましたが、平成26年法律74号の入管法の改正により、【高度専門職】の在留資格が新設され、入管法は平成18年の改正前の条文に戻りました。その後、地域再生法に基づく地域再生計画に用いられる事例から、告示特定活動の一部となりました(36号と37号)。

告示特定活動

2022年現在時点で、告示されている特定活動は50号まであります。中には削除されているものもありますがリストにしました。

   告示特定活動
1号外交官家事使用人
2号高度専門職・経営管理家事使用人
3号台湾日本関係協会の在日職員とその家族
4号駐日パレスチナ総代表部の職員とその家族
5号ワーキングホリデー
6号アマチュアスポーツ選手
7号アマチュアスポーツ選手の家族
8号外国人弁護士
9号インターンシップ
10号イギリス人によるボランティア活動
11号削除
12号短期インターンシップを行う外国の大学生
13号削除
14号削除
15号国際文化交流を行う外国の大学生
16号EPAインドネシア看護師候補者
17号EPAインドネシア介護福祉士候補者
18号16号のインドネシア人の扶養を受ける配偶者、子
19号17号のインドネシア人の扶養を受ける配偶者、子
20号EPAフィリピン人看護師候補者
21号EPAフィリピン人介護福祉士候補者(介護施設内等 就労あり)
22号EPAフィリピン人介護福祉士技能研修者(養成施設内等 就労なし)
23号20号のフィリピン人の扶養を受ける配偶者、子
24号21号のフィリピン人の扶養を受ける配偶者、子
25号医療滞在
26号25号で治療を受ける者の日常生活をサポートする者
27号EPAベトナム看護師候補者
28号EPAベトナム人介護福祉士候補者(介護施設内等 就労あり)
29号ベトナム人介護福祉士技能研修(養成施設内等 就労なし)
30号27号のベトナム人の扶養を受ける配偶者、子
31号28号のベトナム人の扶養を受ける配偶者、子
32号外国人建設就労者(受付停止)
33号高度専門職で在留している配偶者の就労
34号高度専門職外国人あるいはその配偶者の親
35号造船就労者
36号高度の専門的知識を要する研究、研究指導、教育。または高度の専門的知識を要する研究、研究指導、教育に関する事業を営む経営者
37号自然科学、人文科学の分野に属する情報処理技術者
38号36号、37号で在留する者に扶養される配偶者、子
39号36号、37号で在留する者に扶養される親、または配偶者の親(海外において同居しており、扶養を受け、かつ当該在留者と共に日本に転居する者に限る)
40号観光・保養
41号40号で在留する者の配偶者
42号製造特定活動計画に基づく製造業外国人従業員
43号日系4世が日本語や日本文化を学ぶ活動
44号外国人起業活動管理支援計画に基づき、起業準備活動計画の確認を受けた外国人起業家で1年を超えない範囲で行う準備活動等
45号44号で在留する者に扶養される配偶者、子
46号本邦大学卒業者
47号46号で在留する者に扶養される配偶者、子
48号東京オリンピック関係者
49号48号で在留する者に扶養される配偶者、子
50号スキーインストラクター

この中でも特に46号に関しては、日本で大学を卒業した留学生等が対象となる就労資格であるため別途解説を作成します。イメージとしては在留資格【技術・人文知識・国際業務】のパワーアップしたものと考えてください。

告示外特定活動

こちらに関してはあくまでも法律や告示に定めが無いため、代表的な事例で話をしたいと思います。

  • 大学、専門学校を卒業した留学生が就職活動を継続するケース(就活特活と呼ばれます)
  • 内定は出たが就職するまでに期間が開いてしまうケース
  • 出国準備のための活動
  • 老親扶養(年老いた親を日本に呼んで暮らしたいケース)
  • 連れ子(結婚相手に子供がいて、養子縁組を行っていないケース)
  • 難民認定申請者
  • 日本の教育機関に在籍する実子の養育等(申請者は家族滞在を持っているが、扶養者が海外転勤などで日本からいなくなってしまうケース)

などがあり、それぞれ個別に事情を考慮し判断をされます。

なお、これらの申請を行う場合には、法律や告示に根拠が無いため、短期滞在ビザで一時入国をしたのち入管に申請を行う方法を取りますが、基本的に短期滞在からの直接のビザ変更は認められていないため、非常にイレギュラーな申請となります。

指定書に注目

特定活動ビザは、活動できる内容、もしくは働ける企業などが個別に特定されているケースが多いです。もし求人に応募があり、在留カードに『指定書により指定された就労活動のみ可』と書かれている場合には、必ずパスポートに貼られている指定書を確認し、自社で雇用できるか判断を行ってください。なお『就労不可』と書かれていた場合でも、【資格外活動許可】を得ている場合には、週28時間までのアルバイトは可能となっています。


要件

要件に関して、告示特定活動においては各特定活動の内容により異なりますので、入管のHPにてご確認いただければと思います。

告示外特定活動は要件などは明確に提示されておりません。もし、申請をご希望の場合にはご連絡下さい。


まとめ

今回は在留資格【特定活動】について説明いたしました。種類も多く、また個別に判断されるケースも多いため、明確にこれはこうなるといった説明のし辛い在留資格です。

特に問い合わせの多い告示外特定活動の老親扶養は、申請の難しいものの代表格であると言えるかと思います。もし申請を考えている場合には一度ご相談頂ければと思います。

何かご不明点、ご相談などあればお気軽にお問合せフォームよりお問合せください。


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