経営・管理の改正案発表
8月7日のコラムで書いた『経営・管理厳格化!?』の続報です。
8月26日に改正案が発表され、現在パブリックコメントを募集している段階です。今後の予定としては2025年10月上旬に改正を公布し、施行は同年10月中旬とのことです。随分急ですね。
では早速内容を見ていきましょう。
主な改正ポイント
今回の改正では、上陸基準省令と入管法施行規則の2つが改正されます。
上陸基準省令改正内容
①その会社の経営又は管理業務に従事する者以外に本邦に居住する就労に制限の無い常勤の職員が従事していること
②資本金の額又は出資の総額が3000万円以上であること
③①と②両方満たしていること
この部分については、前回のお話でも触れた部分になりますので、そんなに目新しいものではありません。
④経営管理に関する分野又は申請に係る事業の業務に必要な技術又は知識に係る分野において博士の学位、修士の学位又は専門職学位を有していること。または、事業の経営又は管理について3年以上の経験を有していること
今まで【経営・管理】の内、経営の業務に従事する場合には、経験などの基準は定められていませんでしたがこれが新たに追加されます。博士、修士、専門職学位という事は、大学院を卒業している必要があります。
⑤申請人が事業の管理に従事しようとする場合には、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること
今まで管理の業務に従事する場合には、経営や管理に関する3年以上の経験があり、日本人が従事する場合と同等額以上の報酬を受けることとなっていましたので、この部分は逆に緩和と言えます。
以上ここまでが上陸基準省令の改正です。
入管法施行規則改正内容
そもそも施行規則って何?という方もいるかと思いますので、簡単に説明すると入管に提出する必要書類などが定められたものだと思ってください。
上陸基準に変更が加えられたことにより、こちらもそれなりに変更します。ここから変更のあった部分だけ書いていきますので、下に書かれていなくとも登記簿謄本などの提出は必要なままです。
①経営に関する専門的な知識を有する者による評価を受けた事業計画書の提出
②申請人以外の常勤の職員の総数を明らかにする資料並びに当該職員に係る賃金支払いに関する文書及び住民票、在留カード又は特別永住者証明書の写し
③学位を有することを証明する文書又は職歴その他の経歴を証する文書
先に②と③に触れますが、②は常勤の職員の雇用が必須になりましたので、今までは常勤職員がいる場合には提出するという形でしたが、これからは必ず提出する必要が出てきます。また③の学位の証明については、今まで管理の業務に従事する場合に提出していましたが、経営の場合でも提出が必須となります。
①について端的に言ってしまうと、中小企業診断士や公認会計士などの評価を受けた事業計画書という事になります。”など”としておくのはどこまでの範囲か線引きが見えないためです。
まとめ
今回は経営・管理厳格化!?の続報として書いていきました。公開されたパブリックコメント資料はネットで見れますし、意見の募集を9月末頃まで行っておりますので興味のある方は意見をしてみましょう。
なお、既存の【経営・管理】の在留資格を持つ方の更新については、柔軟に対応していくとのことですが、これについて改正内容を加味し私見を最後に書きたいと思います。
まず今回の改正について、非常に厳格になったなという印象を持ちました。あ、もちろんまだ確定した訳ではないので、あくまでも現時点での改正案を見てという感想です。
今まで、言ってしまえば経営をしたことの無い素人でも資本金500万円で会社を設立すれば申請ができてしまっていた訳ですが、今回の改正で学歴であれば大学院卒業、または経営の経験3年以上となったことにより、語弊はありますがしっかりとした会社経営が行われる可能性が高いものへと姿を変えるかと思います。少なくともお金のある専門卒が友人らとお金を出し合ってみんなで会社経営をしようというような申請ができなくなりますし、また本国で年老いた親が子供が住む日本で会社を経営し一緒に暮らそうというような【経営・管理】の申請もかなり難しくなります。また、事業計画書自体も専門家の評価を受けた物が必要になることで、収益性の無い事業、実現可能性の無い事業が淘汰されることとなります。
そういったことを踏まえて更新について考えてみると、まず収益をきちんと上げているかという部分は大きなポイントとなるかと思います。1年目は多少赤が出ても大目に見てもらえる部分は否定しませんが、少なくとも複数回更新している方の場合にはしっかりと収益を上げられているかは厳しく審査されると思います。次は従業員を雇っているか、言い換えるならば雇用の創出に寄与しているかという部分かと思います。常勤職員の雇用義務付けということはその分雇用を創出し日本の経済に寄与することに繋がります。ですので、家族滞在の奥さんしか雇っておらず、会社の利益も給与払ってギリギリですみたいな会社は淘汰される可能性が高くなります。最後に経営に関する専門的な知識を有する者による評価を事業計画書で求められるところから、あまりにも経営状況が微妙な会社については、専門家の評価を受けることを求められる可能性があるかと思います。
まぁまだ確定ではないですので、ここから変わる可能性はありますけどね。
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