登録支援機関の存在
今回は登録支援機関の役割について解説していきます。
特定技能の方を初めて雇用する場合、多くの会社様は登録支援機関を利用するかと思います。そして、いったん依頼してしまうと登録支援機関がどのような業務を行っているかという点が見えなくなりがちです。
今回はそんな受入れサポートを行っている登録支援機関にフォーカスしたいと思います。
登録支援機関とは?
そもそも登録支援機関って何なんでしょうか?
その前に、特定技能を受け入れる際の流れをまとめたサイトがありましたので、流れが分からないという場合はまずこちらをご覧ください
このフローチャートの中に登録支援機関という文言は出てきません。つまり登録支援機関に委託するのは絶対という訳ではないことが分かります。
次に登録支援機関についてまとめられたサイトがありましたので、こちらをご覧ください
外務省のHP便利ですね。とても簡潔にまとめられていて見やすいです。
さて、つまりまとめますと「本来受入れ機関が行うべき義務付けられた業務を委託できる機関」が登録支援機関ということになります。
では次にどのような業務が受入れ機関に義務付けられているのかを見ていきます。
受入れ機関の義務
まず前提として、株式会社、合同会社、社団法人、医療法人、個人事業主などが受入れ機関になれます。結構幅広く認められているのが特徴です。
次に受け入れ機関が特定技能外国人を受け入れるにあたっての義務についてです。
- 外国人と結んだ雇用契約を確実に履行すること
- 外国人への支援を適切に実施すること
- 出入国在留管理庁及びハローワークへの各種届出
- 特定技能外国人の受入れ後は、受入れ状況等について地方出入国在留管理局及びハローワークに定期又は随時の届出を行う
これら項目が特定技能外国人を雇い入れた際の受入れ機関に対する義務です。
ではこれら義務に対して登録支援機関の役割について解説していきます。
1、外国人と結んだ雇用契約を確実に履行すること
この部分に関しての支援は聞いたことがありません。というのもこれは会社と特定技能外国人との間の契約についてですので、支援を行う余地が無いと思われます。
2、外国人への支援を適切に行うこと
この義務の委託が多くの登録支援機関の業務となっています。
これは主に受入れ機関が支援計画書を作成し、それに沿って支援を実施します。具体的にどの様な支援があるかは以下の通りです。
- 事前ガイダンス
- 出入国時の送迎
- 住居確保・生活に必要な契約支援
- 生活オリエンテーション
- 公的手続等への同行
- 日本語学習機会の提供
- 相談・苦情への対応
- 日本人との交流促進
- 転職支援(受入れ機関側の都合により雇用契約を解除する場合)
- 外国人及びその上司との定期的な面談(3か月に1回以上)・行政機関への通報
以上が代表的な支援内容になります。
なお、面談や事前ガイダンスなどは外国人本人が分かる言葉(母国語)で行うこととされていますので、自社で行うのは難しいという会社が多いかと思います。また、支援を行う際には支援責任者や支援担当者を定める必要があり、この役職に就けるのが働く外国人に対して上司という立場でなく、また日常の業務において指導や監督を行う立場ではない人物である必要があります。このような人物は上場企業の人事部の人などが想定されており、完全に日常の業務と分離している必要があります。
3、出入国在留管理庁及びハローワークへの各種届出
受入れ機関は出入国在留管理庁長官に対し、各種届出を行わなければなりません。これらに関しても登録支援機関がサポートを行う場合が多いです。
具体的には以下のような届出が必要となります。
- 特定技能雇用契約及び登録支援機関との支援委託契約に係る変更、終了、新たな契約の締結に関する届出
- 支援計画の変更に係る届出
- 特定技能外国人の受入れ困難時の届出
- 出入国又は労働関係法令に関する不正行為等を知った時の届出
- 外国人を雇い入れた時または離職した時に氏名や在留資格等の情報の届出
(地方出入国在留管理局でなくハローワークに届け出る)
など
4、特定技能外国人の受入れ後は、受入れ状況等について地方出入国在留管理局及びハローワークに定期又は随時の届出を行う
特定技能外国人の雇用後は、支援計画の実施状況などの届出が必要になります。これも多くの登録支援機関がサポートを行っています。
- 特定技能外国人の受入れ状況や活動状況に関する届出
- 支援計画の実施状況に関する届出
- 特定技能外国人の勤務地の変更
など
以上のように、受け入れ機関には多くの書類の届出義務が生じますし、外国人に対する日常的な支援において外国語での対応なども求められます。それらを委託できる登録支援機関は受け入れ機関にとって無くてはならない存在だと言えます。
まとめ
今回は登録支援機関の役割について解説しました。
初めて特定技能外国人を雇用する場合には、登録支援機関に委託することを私はお勧めします。もちろんすべて自社で賄うことができる会社であれば委託する必要もないですが、事務的な手間が増えるのは事実です。少なくとも雇用開始数年は委託し様子を見て、その間に自社で賄えるか判断すればいいと思います。
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