在留カードの内容が変わる?
今回は在留カードに書かれている内容が変わったら?というテーマで書いていきたいと思います。
住所が変わったら近くの区役所などで手続きしますよね?
引っ越しなどの住所変更はそれで十分です。しかし、在留カードにはそれ以外にも書かれている項目があり、もしかしたらそれらが変わってしまう可能性もあったりします。
例えば、国籍や性別、名前や生年月日です。
今回はそんな少しマニアックな話です。
申請と届出
まずはじめに、入管での手続きの多くは【申請】か【届出】です。もちろん他に【開示請求】などの手続きはありますが、こちらは別の機会にお話しします。
入管で行う【申請】の代表的なのは
- 在留資格変更許可申請
- 在留期間更新許可申請
- 在留資格認定証明書交付申請
- 在留資格取得許可申請
があります。
これらは申請を行った後、審査を経て許可されるか不許可になるかの【処分】が下されます。
一方で【届出】には、審査を経て許可されるか不許可になるかの【処分】が下されるという事はなく、相手に対し一方的に通知するという役割を持っています。もちろん必要な情報をきちんと通知する必要はありますので、もし情報が不足している場合などは再提出を求められます。
入管で行う必要のある届出には多くの種類がありますが、いくつか例を挙げると以下のようなものがあります。
- 契約機関に関する届出
- 配偶者に関する届出
- 登録支援機関による支援実施状況に係る届出
- 留学の在留資格を有する中長期在留者の受入れ状況に関する届出
- 住居地以外の在留カード記載事項の変更届出
今回は箇条書きの最後に書きました『住居地以外の在留カード記載事項の変更届出』について解説していきます。
住居地以外の在留カード記載事項の変更届出
この手続きに関しては入管法の19条の10に定められています。
『中長期在留者は、第19条の4第1項第1号に掲げる事項に変更を生じたときは、その変更を生じた日から14日以内に、法務省令で定める手続きにより、出入国管理庁長官に対し、変更の届出をしなければならない。』
『出入国在留管理庁長官は、前項の届出があった場合には、入国審査官に、当該中長期在留者に対し、新たな在留カードを交付させるものとする。』
大事なポイントをいくつか紹介します。
まず、今回の届出内容が『第19条の4第1項第1号に掲げる事項』に合致していなければなりません。具体的には『氏名、生年月日、性別及び国籍の属する国又は第2条第5号ロに規定する地域』に関する変更でないとなければならないという事です。
次の大事なポイントは、『変更が生じた日から14日以内』と提出期間が定められていることです。いつまでも変更の届出を出さず放置することの無いように注意してください。もし、この14日の提出期限を超えてしまったら、なぜ超えてしまったかの理由を記載した書類を提出しなくてはなりません。
最後のポイントは『変更の届出をしなければならない』と、必ずしなければならないこととして書かれていることです。
ちなみに新しい在留カードの交付は、原則として即日です。
必要書類などに関しては、以下のサイトをご覧ください。
出入国在留管理庁ホームページ「住居地以外の在留カード記載事項の変更届」
私のような入管に届出をしている行政書士(いわゆる申請取次行政書士)も、本人の代わりに入管に届出を行うことができます。
まとめ
今回は入管に対して行う届出の一つ『住居地以外の在留カード記載事項の変更届出』について解説しました。
少しマニアックだと最初に書きましたが、なぜそう感じたかを最後に書いていきます。
まず一つ目として、日本人と結婚した外国人の方が、日本の苗字を名乗る場合には通称登録を行うこととなりますが、在留カードには通称は表記されませんのでこの手続きは発生しません。世界で見ても結婚後に「夫婦同氏制」を取っているのは日本だけだったと思いますので、外国人カップルが結婚しても氏名が変わるってことはあまりありません。
次に国籍が変わる場合についてですが、この手続き自体が日本に在留する中長期在留者を対象としていることから、国籍が変わるというと日本に帰化する方が多いと思います。そもそも日本に帰化すれば日本国籍となるため、在留カードは不要となります。よって、この手続きは必要ありません。
生年月日が変わるなんてなかなかお目にかかれないことだと思いますし、性別が変わるという場合も結構限られた条件だと思います。
これらの事からマニアックな手続きと考えました。
ただ、今回このコラムを書こうと思ったきっかけは、日本に住む外国人の方が日本以外の国籍を取得して、変わらず日本に住む予定だったからなんですよね。
なのでこのコラムは私の備忘録という訳です。
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