在留資格【企業内転勤】
今回は在留資格【企業内転勤】について解説していきたいと思います。
日本にある外資系企業で働いている方で、海外から転勤してきた方がこのビザに該当します。
在留資格自体のイメージとしては技人国ビザの派生形という感じです。
それでは、特徴や要件を詳しく解説していきます。
特徴
『本邦に本店、支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が本邦にある事業所に期間を定めて転勤して当該事業所において行う技術・人文知識・国際業務の項の下欄に掲げる活動』
と定められています。この在留資格は平成元年に創設されました。
ポイントとしては以下の通りです。
- 外国にある企業から転勤という形で日本の会社で働く
- 転勤で働く期間が定められている
- 業務内容が技人国の内容から逸脱していない
大きくこれらがこのビザの特徴として挙げられます。では、一つ一つ見ていきたいと思います。
1、外国にある企業から転勤という形で日本の会社で働く
まず前提として、国境を越えた企業活動が展開されている会社である必要があります。その法人が、これは日本に本社がある場合でも良いですが、国境を越えた従業員の移動を行う際にこのビザが該当します。
例えば、外国に本社のある会社が日本法人を設立しており、そこに本社から凄腕IT技術者を日本に転勤させるという場合が当てはまります。
本来、この在留資格は同一法人の国境を越えた支店間の従業員異動を念頭に作られました。しかし、実際には支店というよりも現地法人を設立することの方が多く、現在ではある法人の外国にある事業所から、その法人との間に一定の資本関係などがある法人の日本の事業所への転勤も含まれています。なので、親会社から子会社へ出向する場合や、関連会社へ出向する場合でも、一つの法人グループとして考えられることから、企業内転勤ビザにおける転勤であるとみなされます。
一方で注意すべき点がありまので、例を挙げて考えてみたいと思います。
- A社(海外にある本社)
- B社(A社の日本法人)
- C社(B社の関連会社)
この様な3つの会社があったとし、A社で働いているDさんがB社へ転勤します。
通常の【企業内転勤】ビザであればこの関係性であれば認められます。ではB社で勤務しているDさんをC社へ異動することは可能でしょうか?
答えとしては、A社とC社の関係性によって変わります。C社がB社と同じくA社の関与に基づく関連会社であれば認められますが、それ以外の場合では認められませんのでご注意ください。
2、転勤で働く期間が定められている
この在留資格を申請する場合においては、転勤している期間が定められていなくてはなりません。定められていない場合には技人国ビザの対象となります。
3、業務内容が技人国の内容から逸脱していない
そもそもの話にはなりますが、この【企業内転勤】の在留資格で認められている活動内容は、技人国ビザで認められている活動内容と同じです。よって、日本に本社ある製造会社が海外の工場から働いている外国人の方を日本の工場で勤務させたいといった場合、単純なライン工などの業務内容では認められないということができます。一方で、同じ会社同じ工場であっても、専門的な研究職の場合などは技人国で認められている業務内容ですので在留資格【企業内転勤】が認められる可能性があります。
余談ですが、海外にある親会社から日本の子会社に【企業内転勤】ビザで異動してきており、子会社で働いている最中に、M&Aなどにより親会社と子会社の関係性が無くなった場合はどうなるでしょうか?
答えはそのまま継続してその元子会社で勤務することができると解されています。
要件
次に要件について解説していきます。
【企業内転勤】ビザの在留期限は、5年、3年、1年、3月です。
この在留資格を申請するにあたり、以下の要件を満たしている必要があります。
- 申請に係る転勤の直前に外国にある本店、支店その他の事業所において技術・人文知識・国際業務の項の下欄に掲げる業務に従事している場合で、その期間が継続して1年以上であること。
- 日本人が従事する場合に受け取る報酬と同等以上の報酬を受けること
必要書類などの情報に関しては入管のHPをご覧ください。
まとめ
今回は在留資格【企業内転勤】について解説しました。
技人国ビザから派生した在留資格であるので、共通の部分が多く見られます。一方で【企業内転勤】ビザならではの要件も追加されていますので、その点は注意が必要になります。
何かご不明点、ご相談などあればお気軽にお問合せフォームよりお問合せください。
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